昨日の肉と、今日のチョコ

人生は美味しいと楽しい、それだけがいい

鬱なら休めばいいというのはそう簡単な話ではない

同期が休職した。

その数日前、ふたりで出かけて、ご飯が美味しいと思えなくなったから明日人事に辞めるって言おうと思うんだと軽く笑いながら言う彼女に、おーおーそんなのすぐ辞めたほうがいいなとわたしも軽く笑って返した。

もしわたしがあの日彼女の決断の背中を少しでも押せていたら、いいなと思う。

 

まだたった半年前。

わたしは2ヶ月の研修の後配属された店舗を、たった3ヶ月で辞めた。

辞めた、というか、現場ではなく本社勤務に移してもらったので、退いたと言うのが正しいのかな。

 

大好きで、誇りを持って就職先に選んだ接客業なのに、お客様が怖かった。

1日に何百とくる客、店内の汚れや店外を通る客や従業員、先輩や店長の機嫌、そう言う全部にとにかくとにかく気を使いながら14時間働く日々。

1ヶ月でおかしくなった。

ちょうど家の揉め事もひとつすごろくのますが進んだ時だった。

 

簡単に言えば親父がクソと言う話。

わたしはとにかく自分と家族が明日食べるもの、今日住む家を守るために、休むことはできなかった。

何をしてでも金が必要だった。

たとえ眠れずに出勤していこうが客が怖かろうが帰路の線路を見つめる時間が増えようが、それでも金が必要で、辞めることも休むこともできなかった。

 

ちがう、やめたかったし、やすみたかった。

でも怖くてできなかった。

自分はなにもできない、たとえ休んだって休んだらまた歩き出さなきゃいけないけどどこを歩いたらいいのかわからないから休めなかった。

 

だから、同期が休職すると聞いて安心した。

よかった、彼女が休むことを決めてよかったと思った。

 

休んだらいいよ辞めたらいいよ、わたしもそう簡単に言える。

でも実際、相当の覚悟と勇気がいる。

 

何が言いたいかは自分でももはやわからないんだけど、わたしも彼女も、そんなこともあったんだよなあと遠い目で語り合える日が来たらいいなと思う。