幸せになりたいのなら努力しろ
12本のバラの花束を「ダズンローズ」と呼びます。
12本それぞれに、感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠の意味が込められた特別な花束。
かつてヨーロッパの結婚式では、新郎がダズンローズの全てを誓い、新婦がその中でいちばん大事だと思う1本を返すことで結婚を受け入れる証としました。
わたしはさえりさん以下逃げ恥のみくり程度には妄想癖があるので、考えるわけです。
「もし恋人にダズンローズでプロポーズされたら...?」
あいにくわたしの恋人は、恐らく現実ではダズンローズなんてキザなことはしない人ですが、妄想は素晴らしきかな、するんですよ、ひょろっとした体ですっと通った高い鼻筋に眼鏡を乗せたあの人が、ダズンローズでわたしにプロポーズをする。
わたしはええ〜!?とか驚きつつもちょっと涙を浮かべて、でも思わず笑っちゃう。
「本気〜!?」なんて口元をちょっと抑えながら。
それで、差し出された花束から1本抜いて彼に差し出します。
本当のブーケだったら保水してラッピングしてあるところから1本を抜くなんて無理ですけど妄想だからすっと抜ける。
ひと呼吸置いてから、言う。
「わたしは、あなたに幸せにしてほしいわけじゃない、だからこの1本を返します。
わたしは、目の前のこの人と幸せになりたいと思う、幸せになるためのどんな努力も惜しまずにしたいと思える。
人生はまだまだ全然長くて、何があるかなんて全くわからないけど、健やかなる時も病める時も幸せを諦めずに努力したいと思う。その努力を、一緒にしてくれたら、嬉しいです。」
幸せになれるのは努力をした人だけだ。
絶対に幸せにしてくれる人というのは恐らくいなくて。
どんなにきらきらでお高いケーキも絶対に美味しいとは限らない。
だからせめて、自分がきっとこれは美味しい食べたい!と思ったケーキを信じて選びたい。
料理やコーヒーも然り、手間をかけたら(恐らく大体は)その分美味しくなるのがこの世の常。
幸せは取捨選択と努力の賜物だと思う。
自分で信じる道を選んで、その結果を信じて勝ち取る。
もし買ったケーキが甘すぎたら、コーヒーを少し苦めに入れてみる。
もし甘さが足りないならチョコソースをかけてみる。もし生クリームがくどいなら全部はがしてしまえ。もし果物がまずいながら果物を全部避けたらいい。もし生地がまずいなら果物とクリームだけ食べよう。
もし多すぎたなら誰かを呼んで分け合って、もし足りなかったら明日も買おう。
あの手この手を繰り広げて、それでダメなら諦める。
美味しいものが食べたくて、これだ!と信じたものを選んで、美味しく食べる努力をして、それでも幸福になれなかったら、それを諦めたところで誰に文句を言われるというの。
幸せになりたかったのだから、不幸になりたかったんじゃないんだから、いついかなるときも幸せになる選択をし続けていい。
ただし、人のせいにはしちゃいけない。
自分が信じて選んで努力する、その覚悟をもっていなければいけない。
もし、幸せにしてくれる人がいるとしたらそれは、幸せになりたいという欲求を押し殺さずに生きられる人だと思います。